9月に入って、めっきり秋らしくなってきて、暑さ残るなか、時折涼しい風が窓から入ってくるようになった。お布団の中にいても、季節が移り変わっているのを肌で感じることが出来る。でも、その季節の移り変わりを感じれば感じるほど、やっぱり私の心は弱くなっていく。1回目、2回目の妊娠はちょうどこの頃わかったんだ。。。時折吹く秋風を感じながら、歩いてお買い物に行ったりしてた。まだ目には見えなかったけど、でもお腹に赤ちゃんがいるという気持ちだけで、私の心は十分すぎるほど幸せでいっぱいだった。夏とは違う道ばたの花たちを眺めながら、ツクツクボウシの声を聞きながら、夜になるとスズムシの声を聞きながら、本当にこれ以上ないしあわせを感じていた。でも、そんな幸せはすぐになくなってしまった。お腹の赤ちゃんはいつの間にか成長をやめていた。私のお腹の中のもう一つの命は、消えてしまっていた。今の季節になると、この頃のことをどうしても思い出してしまう。心地よい秋風が部屋に入ってくるたびに、私の心はなんとも言いしれぬ悲しみでいっぱいになってくる。いつになったら、心から秋風を気持ちいいと思える日が来るんだろう。
いまの私にとっては、ただ悲しみを運んでくる風でしかない。