寂しい病
主人がお仕事に行こうと、玄関のドアを開け、出かけようとする。すると、なぜだか私の心がものすごい悲鳴を上げる。体中がざわざわと落ち着きをなくす。主人が玄関のドアに鍵を閉める。まるで、一日家の中に閉じこめられるような変な気分になり、鍵を開け、靴もろくろく履かずに主人を追いかける。「一人にしないで。」そう言っては、泣き崩れる。私が鬱病になってから現れた「寂しい病」です。主人が仕事に行ったあとに目が覚めても、あまり症状は変わらない。鍵を開けて、追いかけるんじゃなく、何度も主人の携帯に電話する。主人は当然仕事にならない。こうして、主人は鬱病でもないのに、仕事を2,3ヶ月ほど休まないとだめな状態が何度かあった。この状態について、主治医の先生に言われたこと。「ふつう、いくら仲のよい夫婦だといっても、お昼間にあなたが寂しくて、不安で、一人でいられないって言うのはちょっと変でしょ?これは鬱病だからなのよ。鬱病になる前はこんなことなかったでしょ?ご主人を仕事に行かせないなんて。」確かに、どう考えても主人を仕事に行かせない。寂しくて、一日どうしたらいいかわからない。不安で不安でたまらない。これはふつうの大人のすることではないだろう。
で、、、どうやって、この寂しい病を治したかというと、練習したんです。1番うつが酷かったときは我慢させられました。というよりは、簡単に言うと個室に閉じこめられたんです。しかも、その個室は、ただ、お布団とトイレあるだけ。ただただ、毎日話す人も誰もいないまま個室に一人っきり。主人だけじゃなくてほかの誰とも、看護婦さんとも、主治医の先生ともなかなか会えませんでした。そんな時間が1週間ほど。
そのあとも、治った訳じゃなかったんですが、近くの病院に変わって、入院していたときに、もう一度練習しました。この時は閉じこめられるんじゃなくて、結構現実的な練習です。外泊の許可をもらい、主人が仕事から帰るであろう時間の1,2時間前に家に着くように病院を出る。主人が帰るまで、一人で家にいる。この時間は何とか一人で過ごす。外泊の翌日は、主人を仕事に見送り、一人で荷物をまとめて、病院へ戻る。これを繰り返しました。1,2時間居られるようになったら、次は3,4時間と長くしていき、外泊の翌日も、夕方まで一人で居てから病院に帰るといった具合。これで、一人でも家にいられるようになりました。それで、無事退院の許可が出て。(そのあと2回ほど調子を崩して、また入院して、同じ練習をしたことがありますが。。。)退院してもむやみに出かけないように、出かける用を作るときには主治医の先生に相談してからお出かけをするというようになっています。たぶんこの寂しい病はうつの症状のようです。そして、この症状を改善しようと一人でむやみに出かけたりすると、結局つけが回ってきて、調子を崩すことが多いです。出かけたい、こんなに不安なのはいやだ、そう思っても、「抗不安薬」や「抗うつ剤」を頓服として飲んでも絶対に無理して出かけないというのが私にはすごく当てはまってた気がします。我慢するのもつらかったし、今でも、本当は来年の4月まで待たずに、結婚前にあきらめたこと始めたいんだけど。。。今は、私は、来年の4月からのための、出かける練習の最中です。でも、そうとはわかってても、なかなか気持ち的にはうまくいかないことがあります。そんな時は、リスパダールを飲んで、お布団にこもって眠る、眠る。。。です^^